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Our story

 奄美市名瀬から瀬戸内町へ向かう道、島で一番長いトンネルである網野子(あみのこ)トンネルを抜けると、左に曲がる道があります。観光で奄美大島に来られた人はなかなか曲がらない道かも知れません。この道を5分ほど進み、峠をひとつ超えたところに節子(せっこ)集落があります。

 この集落をさらに一番奥まで進むと、今は使われていない小中学校の姿が見えてきます。節子小中学校。2015年に廃校になった小中学校です。集落にとって学校がなくなるのは大きな問題です。子供がいなくなり、戻ってこようと思う人、移り住もうと思う人が減り、人口減少に拍車がかかります。これは奄美大島だけではなく、日本全国の地方で課題になっています。

 学校ではなくても、他の方法で利用できれば集落の活気が取り戻せます。

 

 節子小学校では、自然体験、作物や生き物を育てる体験、集落の人たちとの触れ合いを通して、現代社会で人々が失いつつあるものを取り戻す場であって欲しい。そんな願いで活動しています。

あまみっけ田中さんの記事.jpg

奄美の原風景を残したい。

奄美の土壌の力で、

     心身を癒す場にしたい。

 ロビンソンファームは、徳洲会病院最高顧問・元瀬戸内徳洲会病院院長の髙野が廃校を有効活用したいと考えたことがきっかけで始まりました。

 今、都会で心を病んでしまっている人はたくさんいます。なぜここまで病んだ人が増えてしまったのか。それは、自然に触れていないからじゃないかと髙野は考えます。

 都会に住むと、便利ではありますが、生活がどんどん自然から離されてしまいます。都会の学校では、校庭は人工芝で覆われ、土を知らずに生活する子供が増えています。

 汚れるからと土に触れず、虫を見ると逃げる。アスファルトの場所でないと生きられない人が増えるのではないかと、髙野は危惧しています。

 地球のほとんどは土でできているのに、土のある場所で生活できる人が減っている。このまま都会で心をすり減らし、病んでしまうのではなく、奄美大島の豊かな自然に触れて回復してくれる人を増やしたい。そう思ってロビンソンファームを立ち上げました。

 

 大規模な開発をするのではなく、すでにあったものを再利用することで、昔ながらの原風景を残す。この風景を見たときに懐かしさを感じ、立ち止まって人生を考え直すきっかけになればいいと髙野は話します。

予防医療に繋がるものを育てる

 髙野さんは医療現場に長い間従事していた経験から、予防医療の大切さを感じていました。

 

 病気にならない体を作るためには、何を食べるかはとても大切です。農薬を使わない新鮮な野菜を作りたいと思いましたが、農業経験はまったくなかったので、何から始めていいか分かりません。

 

 そんなとき、琉球大学の比嘉照夫名誉教授が節子集落へ訪れ、比嘉教授が研究しているEMの存在を教えてくれました。EMとは、人や環境に優しい善玉菌の集合体のことです。通常の有機農法では害虫がたくさん発生して大変ですが、EMを使えばそのような問題がなく、農薬も使わずに作物を育てることができます。さらに、EMの発酵作用で、善玉菌の微生物を育まれ、有機肥料で豊かな土壌ができます。

 次に必要なのはタンパク源です。すると、鹿児島大学元副学長の萬田名誉教授とご縁があり、ヤギを送っていただけることになりました。

​ また、マンダクロドリという珍しい種類のにわとりも育てています。卵を産んでくれるので、こちらも貴重なタンパク源になっています。

​Re-food project

奄美の原風景を、今へ

​リフード・プロジェクト

 昔ながらの奄美の風景。

 庭先にはヤギや牛小屋があり、鶏が鳴いています。

 集落の奥には田畑が広がり、畦道で子供たちが虫を追いかけ駆け回って遊んでいます。

 

 この風景にこそ、私たちが失いかけているもの、大切に残すべき価値があるのではないかと考えています。

リフード・プロジェクト

 人が利用しなかった食材を、鶏のエサとして活用し、鶏のフンは捨てることなく田んぼや畑の肥料となります。できたお米や野菜、鶏の卵や肉は、恵みとして人に還っていきます。

 また、フンなどの有機肥料は、化学肥料を使用するより、土壌の生き物を豊かにし、生物の多様性を育みます。

​ 成長を追い求めすぎた先に起こっている様々な問題を、奄美の自然の中で、今一度立ち止まって考えてみる機会になれば。

 

 

🍴日本では年間600万トンの食品ロスが出ています。

そこで私たちは「食の再利用」を始めました。

瀬戸内町徳洲会病院様に協力していただき、毎日10㎏から20㎏の廃棄食材(食べ残しではなく、調理時に出る野菜の皮、出汁がらや余ったご飯など)をいただき、それをロビンソンファームで飼育している鶏たちの餌として使用しています。

ロビンソンファームだけで年間およそ6.1トンもの食品を有効利用しています。

🌽日本の穀物飼料(トウモロコシなど)のほとんどは輸入に依存しています。(年間約1400万トン。濃厚飼料の88%を輸入。)

 今、日本は食料自給率だけでなく、飼料自給率をあげるための様々な取り組みを推進しています。その1つが食料残渣の飼料化(エコフィード)です。私たちのリフード・プロジェクトは、まさに日本が推進する食料残渣の飼料化に寄与するものです。また、輸入トウモロコシなどは輸送の際に大量の防腐剤などを散布されています(ポストハーベスト問題)。こうした動物の飼料にも目を向ける必要があります。

🐔アニマルウェルフェア(家畜の飼育環境)に配慮することは、私たちの健康的な食にも繋がることです。

​ ロビファの鶏たちは、奄美の太陽の下、自由に大地を駆け回り、砂浴びをして、夜は高い止まり木の上で寝ます。密を避け、心身共に免疫力を高める飼育環境を保ちながら育てています(ケージフリー)。一方、歩くこともできないバタリーケージの中で、密な環境で大量生産される鶏は、感染症の蔓延を防ぐために抗生物質などを投与されています。アニマルウェルフェア(家畜を快適な環境下で飼養すること)に配慮することで、家畜のストレスや疾病を減らし、健康的な鶏やたまごに。

 

私たちの取り組みは、循環型の社会を実現するほんの小さな一歩かもしれません。しかし、実際に土に触れ、にわとり達と一緒に時間を過ごし、命を戴く体験をすることで、ここでしか感じることができない大切なことに触れることができると考えています。

生物多様性、豊かな土壌を

​EM project

EMとは、

きっかけ
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